投資型クラウドファンディングとは?

バブル期以来とも言われる日本株の値上がりや、ビットコインに代表される仮想通貨の高騰など、投資をめぐる環境は、日々変化してきています。

上手く行けば元手が数倍にもなるハイリスク・ハイリターンの投資手法は魅力的ですが、全ての資産でリスクを取るのは避けたいものです。

もともと日本では堅実な資産運用が好まれる傾向がありましたが、堅実的な資産運用を行いたいと思っても、なかなかその手段が見つかりません。

マイナス金利の影響もあり、銀行の定期預金の金利は0.01%程と、歴史的に見ても最も低い水準にあります。預金が資産運用の選択肢にならない時代です。

こうした経済環境のなか、投資型クラウドファンディングは平均5%以上の利回りが期待できることもあり、新しい資産運用のかたちとして注目されています。

投資型クラウドファンディングとはどういうものなのか?投資するメリットとデメリット、投資型クラウドファンディングを実際に運営している企業について解説します。

 

投資型クラウドファンディングとは?

 

クラウドファンディングとは、不特定多数の人が、主にインターネットを通じて、他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを意味しています。

クラウドファンディングは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、新しい資金調達方法として様々な分野で活用されています。

新商品の開発とか、災害など緊急事態での資金援助などで、クラウドファンディングで資金を集めるというニュースを聞いたことがある人も多いでしょう。

プロジェクト提唱者の理念に賛同して行う、見返りを期待しないボランティア的な資金提供だけが、クラウドファンディングの全てという訳ではありません。

出資者に投資利益を還元することが前提となっているクラウドファンディングもあり、それを『投資型クラウドファンディング』と呼んでいます。

 

規制緩和によって生まれた新しい投資ビジネス

 

日本では、資金決済に関する法律や金融商品取引法などによって個人間の送金や投資が制限されてきましたが、第2次安倍内閣から規制緩和が進行。

クラウドファンディングを活用する施策として、規制を緩和する金融商品取引法などの改正案が2014年(平成26年)5月23日に国会で可決成立したことが転機となりました。

新しいビジネスを立ち上げる時、銀行などの従来の金融機関や、株式発行などの資本市場を通じて資金調達を行うには時間も手間もかかります。

日本政府が規制緩和を行った背景には、コンセプトや理念さえ確かに定まっていれば、従来の手法に頼らずに広く一般市民から資金を募ることで、迅速にビジネスの展開を進める狙いがあります。

クラウドファンディングは新しいビジネスを支える資金調達方法として期待されています。

 

クラウドファンディングの種類

 

クラウドファンディングは寄付型、購入型、投資型の3つに分類されます。

クラウドファンディングが発展する順序としても、最初はシンプルな無償の寄付型に始まり、次に実際の製品を提供する購入型が生まれ、今では金融商品として投資型クラウドファンディングが発展しているという流れを辿っています。

 

クラウドファンディングの分類
①寄付型:ウェブサイト上での寄付を募る方法で資金を集め、被災地、発展途上国、慈善事業、小規模事業等に対する資金提供行う。

②購入型:ウェブサイト上で製品やサービスのアイディアを公開し、購入者から前払いで集めた代金を元手に製品を開発し、購入者に完成した製品等を提供する。

③投資型:資金提供者に対する金銭的リターンがある。

 

寄付型や購入型のクラウドファンディングは、基本的に投資利益を求めるものではありません。プロジェクト発起人の理念に共感して、見返りを期待することなく参画するのが基本です。

一方で、投資型のクラウドファンディングは、プロジェクトの理念に共感しつつ、投資リターンも期待するものです。堅実な投資商品として、最近非常に注目されています。

 

投資型クラウドファンディングの特徴

投資型クラウドファンディングは別名ソーシャルレンディングとも呼ばれ、金融庁の認知を受けている投資商品です。

投資型クラウドファンドは、資金提供者に対する金銭的リターンを円滑に行うために、サービスを仲介する事業者の関わりが大きいことが特徴です。

投資型クラウドファンドは、(a)融資型、(b)株式型、(c)ファンド型に分類されますが、何れの業務を行うにも高度な金融関連の業務遂行能力が求められます。

 

投資型クラウドファンドの分類
(a) 融資型 集めた資金を事業者に貸し付ける(融資する)。

(b) 株式型 株式(特に未公開株)発行の方法で資金を集める。

(c) ファンド型 ファンド持分を購入させる方法で資金を集める。

 

(a) 融資型の事業を行うには、貸金業法上の貸金業者登録と、金融商品取引法上の第二種金融商品取引業者の登録が必要です。

(b) 株式型の事業を行うには、株式や国債など流動性の高い有価証券を取り扱うことから、金融商品取引法上の第一種金融商品取引業者の登録が必要です。

(c) ファンド型の事業を行うには、第二種金融商品取引業者の登録に加えて、ファンドから事業者への資金提供が株式など有価証券の発行を受けるものである場合は、金融商品取引法上の投資運用業者の登録も必要となります。

銀行の場合は、預金者から集めた預金を原資に、ビジネスを行う事業者に資金を貸し付けているわけです。

クラウドファンディング事業者の場合は、一般の市民(クラウド)が出資した出資金が原資となり、それを新しいビジネスやサービスを展開しようとする事業者に仲介・融資しています。

 

ミドルリスク・ミドルリターンの投資手法

 

投資型クラウドファンディングは、仮想通貨取引のように、短期間で数十倍に元本が膨らむということはありませんが、銀行預金などよりは遙かに利回りのパフォーマンスは良好です。

投資型クラウドファンディングの利回りは、多くの事業者で5%~10%ほどです。その一方で、元本が保証されないという特徴もあります。

プロジェクトが最終的に頓挫する可能性はゼロでは無く、投資対象のプロジェクトが何も利益を生み出さなけれが、最悪元本割れの危険性も生じます。

投資型クラウドファンディングでは、元本が保証されないという点が最大のリスク要素となりますので、ここは十分理解しておいてください。

その一方で、元本割れが多発すれば投資商品として成立しないという側面もあります。クラウドファンディング事業者は、入念な審査を行って融資先を選定していて、現時点で大型の破綻は発生していません。

総合的に、投資型クラウドファンディングは、ミドルリスク・ミドルリターンの投資手法と考えて良いでしょう。

 

投資型クラウドファンディングのメリット

 

投資型クラウドファンディングのメリットは、一言で言うと、リスクとリターンのバランスが優れていることですが、他にも多くのメリットがあります。

 

高い利回りが期待できる

 

投資型クラウドファンディングは、平均して5%~10%以上の利回りが期待できますが、市場に連動した値動きなどが無いため、FXや株式などよりもリスクが低いと考えられます。

 

小額1万円からスタートできる

 

多くの投資型クラウドファンディングでは、1万円ほどの少額でも投資を始めることができます。これは、元々がクラウド(群衆)から少しづつ出資を集り、全体としては巨額の資金をつくるという成り立ちから来るものです。

 

値動きを気にすることなく放置できる

 

投資型クラウドファンディングは、基本的に為替市場や株式市場の影響を受けないため、例えばデイトレーディングのような行為は発生しません。

投資対象を十分考慮して選択した後は、基本的には放置しておくことができます。投資型クラウドファンディングに移行した分はあまり気にし過ぎることなく、他の資金の運用を感上げる時間の余裕も生み出せます。

 

社会貢献になる

 

投資型クラウドファンディングの最終投資先は、発展途上国や、既存の債券市場での資金調達が難しいような小規模事業主であることも多くあります。

投資型クラウドファンディングへの投資を通じて、世界の様々な地域の発展や、新しい産業の立ち上げなどに貢献できる、社会貢献の意義も持っています。

 

投資型クラウドファンディングのデメリット

 

投資型クラウドファンディングにはメリットも多い一方で、デメリットも確かに存在します。

現時点で、投資型クラウドファンディングを運営する事業者に大きなトラブルは発生していませんが、内包するリスクについては十分理解しておくことをおすすめします。

 

元本保証が無い

 

投資型クラウドファンディングの最大のリスクは、元本の保証が無いことです。元本割れや、理論上は出資金全損のリスクもあり得ます。

投資型クラウドファンディングを運営する事業者の先には、投資先の企業や事業社がいるわけですが、事業の失敗や破綻が100%無いとは言えないことがその理由です。

融資対象のプロジェクトが破綻続きであれば、投資型クラウドファンディングは金融商品として成立しなくなってしまいますので、投資型クラウドファンディングを運営する事業社には、投資プロジェクトの審査・選定には高い能力が求められます。

投資型クラウドファンディング事業者のプロジェクトの審査能力も、運営実績を積むにつれて向上してきていますが、現時点では危険度が高いプロジェクトはそもそも投資対象としないことで、リスクとリターンのバランスを保っている傾向が強いです。

 

一攫千金を狙う投資では無い

 

投資型クラウドファンディングで期待できる利回りは、平均して5%~10%程度です。元本が短期間に数倍にもなって帰ってくるような可能性は、基本的にありません。

現時点では、投資型クラウドファンディングの融資対象が、相当程度安全なものを選定する傾向が高いことも影響しています。

 

射幸心を煽る投資では無い

 

上記に関連しますが、投資型クラウドファンディングでは、射幸心を煽るような投機的な運用が行われることは有りません。ギャンブルでは無いということです。

短期間で投資リターンが得られる性格のものでも無く、基本的にじっくり着実に成果を得ていく投資手法です。

 

デメリットを回避する方法

 

理論的な可能性として、最終投資先の事業の頓挫、破綻もあり得ますが、投資型クラウドファンディングを運営する事業者も、融資に際しては慎重な審査を行って対応しています。

銀行業務のように数十年、数百年の運用経験の蓄積があるものでもなく、投資型クラウドファンディングの事業社自身が経験を積む段階であることもあり、そもそも危険度が高いプロジェクトについては、融資対象としない傾向も見られます。

総合的にこうした背景も影響して、投資型クラウドファンディングにおいては、仮想通貨取引に見られるような巨額の詐欺事件等も発生したケースは現在の所ありません。

良くも悪くも、リスクとリターンのバランスを取り、ミドルリスク・ミドルリターンに徹しているところが、投資型クラウドファンディングの特徴と言えます。

 

投資型クラウドファンディングの運営会社

 

日本で投資型クラウドファンディングを始めてみよう、クラウドファンディング投資を始めてみようという時には、投資型クラウドファンディングの運営会社にアカウントを開設する必要があります。

日本国内で投資型クラウドファンディングを提供する代表的な事業者をまとめました。各社の特徴も解説します。

 

クラウドクレジット(Crowdcredit)

 

クラウドクレジットは特に海外の案件が他社と比べて豊富に用意されており、選択肢の幅が広いことが特徴です。

大手の伊藤忠商事と提携していて、信頼感をもって取引できることでも人気を集めています。

 

オーナーズブック(OwnersBook)

 

オーナーズブックは、不動産を対象に投資を行う投資型クラウドファンディングです。

不動産投資の専門家が行う手堅い投資に参画できます。

 

マネオ(maneo)

 

マネオ(maneo)は、投資型クラウドファンディング、ソーシャルレンディングサービスを提供する企業の中でも、初期から参入している企業で実績も豊富です。

老舗の安心感とともに、投資先の種類も多く、担当者の写真入りブログでの案件説明など、情報提供が豊富なことも特徴です。